障害年金の対象者
1 障害年金制度の目的
障害年金は病気やケガ等で仕事や日常生活に支障が生じた方を対象とした給付です。
病気やケガが生じた理由は問わず、業務外での病気やケガでも問題ありません。
ただし、仕事や日常生活に支障があればただちに対象者として障害年金をもらえるわけでなく、以下の条件を満たす必要があります。
2 障害年金の認定対象とならない傷病ではないこと
障害年金は幅広い病気やケガを対象にしていますが、一部例外があります。
精神の障害では、統合失調症、うつ病、発達障害、てんかん等は対象となる一方、不安障害や強迫性障害等の神経症や人格障害は原則として障害年金の認定の対象となりません。
3 初診日の証明がなされていること
初診日とは、障害の原因となった病気やケガで初めて医師や歯科医師の診療を受けた日を指します。
障害年金をもらうには、初診日において、①公的年金に加入している人、②20歳未満である人、③過去に公的年金に加入していた60歳以上65歳未満の人、のいずれかに該当することが必要です。
上記のいずれかに該当することを確認するために初診日がいつであるかを証明しなければならず、初診の医療機関で受任状況等証明書を作成してもらう必要があります。
ただ、初診日が5年以上前である場合、カルテが破棄されるなどして受診状況等証明書を作成してもらえないことがあります。
このように初診日の証明は容易でないことが少なくありませんが、ただちに諦めるのでなく、障害年金に詳しい弁護士や社会保険労務士に相談するなどして、他の証明方法を検討するようにしましょう。
4 年金保険料を納付していること
障害年金をもらうには、一定程度の年金保険料を納付している必要があります。
初診日の前日時点で、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納が なければ問題ありません。
仮に、その1年間に未納の月があったとしても、公的年金に加入してから初診日のある月の前々月までの期間の3分の2以上について、初診日の前日時点で保険料が納付または免除されていれば問題ありません。
保険料の納付状況は、年金事務所から納付記録を取り寄せれば確認できますが、一般の方が条件を満たしているか確認することは困難であるため、年金事務所か、障害年金に詳しい弁護士や社会保険労務士に相談するのがよいです。
5 障害の程度が等級に該当すること
初診日時点で国民年金に加入している場合は障害基礎年金、厚生年金に加入している場合は障害厚生年金の申請をすることとなります。
そして、障害基礎年金の場合は2級または1級、障害厚生年金の場合は3級、2級、1級のいずれかに該当すると、障害年金を受け取ることができます(障害厚生年金には、障害手当金という一時金もあります)。
障害の程度の審査を受けられるタイミングは2つあり、障害認定日(原則として、初診日から1年6か月経過した日)以後3か月以内の時点での症状を診断書に記載してもらい、障害の程度を審査してもらう請求方法を「障害認定日請求」といいます。
また、障害認定日時点では等級に該当しないものの、その後症状が悪化して等級に該当することになったと考えられるときに、申請日前3か月以内の時点での症状を診断書に記載してもらい、障害の程度を審査してもらう請求方法を「事後重症請求」といいます。
























